そうとは言えません。以下の理由でやはり多くのムスリムたち、とりわけ外国人のムスリムたちにとって必要とされているもので、有益であることは事実です。1. 日本語による材料表記が読める日本人ムスリムにとっては、不要だと思われますが、日本語表記が読めない外国人ムスリムには、どれがハラールの食品なのか分かりづらいため、あれば大変助かります。 2. たとえ材料が表記されていても、もしアルコールとしか書かれていなければ、そのアルコールが、ハラム(禁忌)とされている飲料用アルコールであるのか、国際的なハラール認証機関の基準によって一定の条件の下に使用することがハラールとして一般に許されている醸造用エタノールであるか分かりません。たとえば、バクテリアの増殖の抑制を目的として生麺などに「酒精」と書かれている場合、通常はハムル(飲料アルコール)以外の工業用エタノールの使用で、残留濃度が一定基準以下(通常は0.5%)であれば、多くの国際的なハラール認証団体の基準によってハラールとされていますが、一般的にムスリム消費者たちはそうした知識を持っていません。そのため、知識のないムスリム消費者たちはそうした食べ物がハラムであると勘違いしてしまいかねません。3. レストラン・メニューに関しては、材料表示だけではハラール性は担保できません。調理の工程でもコンタミネーション(交差汚染)のリスクがないことを保証しなければならないからです。そのため、調理器具の使用等、調理の工程についても、ハラール認証団体や地元のマスジドなどが確認をしてハラールであるという保証したところであれば、ムスリム消費者たちは安心して食べることができます。