いいえ。アルコールについては、現在、国際的なハラール認証機関のほとんどは、「ハムル(飲料用アルコール=酒)」と「非ハムル」の工業用エタノール(合成アルコール、及び発酵アルコール)を区別し、後者については使用を可能としています。 アルコールについては、2003年、2018年に発行されたアメリカの認証団体IFANCAのCEOらが出版した著書、同じく2003年、2018年に発行されたインドネシア・ウラマー評議会(MUI)のファトワー(法的裁定)などにそうした基準が書かれています。ですから、工業用エタノール(発酵アルコール)を原料とした醸造酢、マヨネーズ、ケチャップ、ソースなどは全てハラールです。国際的なハラール認証機関の基準に従えば、調味料の製造に使用される醸造用エタノール(エチルアルコール)や、生麺などにバクテリアの繁殖を抑えるために添加される酒精など産業用エタノールは使用が可能です。また着色料や香料の溶剤(加工助剤)として使用される産業用エタノール、手指消毒、調理台の消毒等に使用されるエタノールも使用可能とされています。もっとも、アルコールについてのそうした新しい基準を理解していない人たちは、アルコールについてハムルと非ハムルの区別をすることなく全てのアルコールの使用を禁止する古い考え方をとっている場合もあります。手指消毒のためのアルコールの使用を避ける者も珍しくありません。しかし、そのように行動する消費者たちも、新しい基準に従ったインドネシアとマレーシアからのハラール製品も必然的に消費しなければならないという現実を自覚する必要があるでしょう。