はい、酢はハラールです。酢は発酵途中にアルコールを生じますが、完全に酢酸になるまで発酵させるので「ハラール」です。「最良の調味料、付け合わせは酢である」というハディース(預言者ムハンマドの言行録)もあります。 “Sebaik-baik bumbu dan lauk adalah cuka” (HR. Muslim no. 2051).https://rumaysho.com/3444-hukum-cuka-vinegar.html 一般的なムスリムの理解では、原料が米100%の本醸造の酢はハラールで、原材料に「アルコール」と記載されている酢はハラムと考えられているようです。しかし、現在、ほとんどの国際的なハラール認証機関の基準によれば、ハムル(酒)以外の工業用エタノールの使用は、一定の制約の下に使用することが「ハラール」として許されています。工業用エタノールには発酵アルコールと合成アルコールがあって、食品に使用できるものは発酵アルコールに限られていて、「醸造用エタノール」と呼ばれています。つまり、ほとんどの国際的なハラール認証機関の基準に従えば、たとえアルコールが使用されている酢であっても、ハラールとなります。そのため、日本国内のハラール認証団体は、醸造酢、醸造酢を原料としたマヨネーズ、ケチャップ、ソースなどのハラールメニューへの使用を一般に認めています。酒を製造し、それを原料に酢を作ることはハラムであるとする伝統的な考え方もありますが、現代の国際的なハラール認証機関のほとんどはもはやそうした考え方は採用していません。アメリカの認証機関IFANCAの基準が書かれた2003年のRiaz&Chaudryによる著書やインドネシア・ウラマー評議会の2003年のファトワーに、酒を原料として製造された酢はハラールであると書かれています。アルコールについてのインドネシアのファトワーは以下を参照。https://mui.or.id/wp-content/uploads/files/fatwa/Standarisasi-Fatwa-Halal.pdfMian N. Riaz, Muhammad & M. Chaudry (2003), Halal Food Production, CRC Press, 第1版.