現在のところ、残念ながらハラールとはみなされていません。通常「本みりん」には12.5%-14.5%のアルコール分が含まれているため(「みりん風調味料」の場合はアルコール分は1%未満、「みりんタイプ調味料」の場合はアルコール分は8-20%)、ハラムとされています。しかし、「みりん」は一般に飲料用としては製造されていません。つまり、みりんはイスラム教義で禁止されている「ハムル(酒)」にはあたりません。そして、そのみりんが調理に使用され、調理の過程でアルコール分が完全に飛ばされれば、最終製品である料理には残留アルコール度数は0.5%以下になると考えられますから、ハラールとして認められる可能性もあります。酒やみりんを煮立てアルコール分を蒸発させることを「煮切る」といい、その方法でアルコール分を完全に飛ばした横井醸造の「煮切りみりん」は、ハラール認証を取得しています。しかし、アルコール分を飛ばしてしまった「みりん」には、「臭みをとる」「煮崩れを防ぐ」「味の浸透をよくする」などのアルコールによる効能は失われてしまいます。料理を最終製品と考えれば、調理をした後にはアルコール分は飛んでいるので、みりんをハラール調味料として認めるような明確な基準ができれば良いのですが、今はまだそうした基準がありません。その結果、ハラール認証を取得した「煮切りみりん」以外はハラール対応には使用できないという状況です。みりんの代わりに、デーツシロップを使用したりすることもできると言われますが、アルコールの効能は期待できません。