キリスト教徒、ユダヤ教徒が「と畜」した肉は、同じ神に捧げられたことになるのでハラールであるとする考え方があります。クルアーン5章5節の次の章句が根拠とされています。『啓典を授けられた民の食べ物は、あなたがたに合法(ハラール)であり、あなたがたの食べ物はかれらにも合法(ハラール)である』「啓典を授けられた民」というのが、ユダヤ教徒、キリスト教徒を指します。そのため、キリスト教徒が主流の国からの肉については、食べてもよいと考えるムスリムも多くいます。例えばブラジル産の鶏肉やオーストラリア産の牛肉などで、実際に10kgの塊肉の時点では、ハラール認証がついていることが多いようです。しかし、ハラール認証がない場合には、本当にそれらの肉が啓典の民によってと畜されたかどうかの確認が取れないことに加え、現代のユダヤ教徒やキリスト教とが預言者ムハンマドの時代の啓典の民と同じとはいけないと考えるイスラム学者らもいるため、認証つきのハラールメニューにはハラール認証のない肉は使用できません。