そんなことはありません。コンタミネーション(交差汚染)が生じないように保管されていた場合には、ハラール・メニューに使用することが可能です。トラックの中に仕切りがある、冷蔵庫の扉を分ける、豚肉は冷蔵庫の一番下の棚にしまう、密閉容器を使用するなど、さまざまな配慮をすることによって、ハラール・メニューに使用することが可能です。イスラムは合理的な宗教で柔軟な宗教です。輸出用の厳格なハラール認証基準と国内のハラール・サービスに適用されるべき基準は異なります。インドネシア、マレーシアのハラール認証基準はますます厳格になってきていますが、以前は、両国のハラール認証基準においても、かつては、ハラール食材を豚肉と同じトラックで輸送したり、同じ倉庫に貯蔵したり、豚肉メニューを提供する飲食店においてハラール・メニューを提供することを禁止していませんでした。現在の両国のハラール認証基準は、イスラム法で定められている基本的な基準ではなく、限りなく理想的になっています。一方、ムスリム少数派の日本のような国においては、イスラム法の基本的な条件を満たせば十分だということです。